宿題は雪絵と…

このゴールデンウィークに三女が帰省しました。5月3日の夕方に帰ってきて、5日の朝に戻るという、つむじ風のような(妻)帰省でした。彼女の帰省の目的は、大学の宿題をこなすためです。宿題は2つあって、1つは雪絵を調べること。もう1つは、家族で一番の年長者に人生で一番心に残った事をテーマに話を聞いて、2,500字以上でレポートを作成するというものです。雪絵の調査は、車で出掛けることになります。娘は昨年入学早々自動車運転免許証は取得していますが、お正月に帰省した時ちょこっと運転したぐらいで、まったく運転していません。そこで私(妻を連れて)がアッシー君をすることにしました。

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僧ヶ岳の雪絵はこんな風に見えます インターネットの画像から拝借

富山県で雪絵といえば、僧ヶ岳の雪絵が有名で、毎年春になると地元紙にはかなりのスペースで雪絵の写真が掲載され、農作業の始まりを告げる風物詩として報道されます。しかし、私が住んでいる射水市からは、僧ヶ岳のある魚津市、黒部市は離れていて、田植えの時期に僧ヶ岳が話題になることはありません。どこから見ると一番よく見えるのか、インターネットで調べるのですが分かりません。僧ヶ岳の写真はいくつもヒットするのですが、それがどこから見た雪絵なのかが説明されていません。

富山平野は、北に臨む富山湾(日本海)を除く三方(東西南)を、立山連峰の立山、剣岳など3,000m級の山々に(まるで目の前を)屏風のように取り囲まれています。この壮観なパノラマは、いたるところで紹介されています。そのパノラマ写真には、一つ一つの山の名前が表示されているものが多く、富山県に住んでいる多くの人は、自分の家からどの山がどれであるか、一目で判断することが可能です。ところが、僧ヶ岳は立山連峰の一つですが、中部山岳国立公園に含まれないためか(隣の駒ヶ岳までだそうです)、あるいは富山市からはどれかの山の陰になるのか、名前の載っているパノラマ写真を見たことがありません。どのパノラマ写真も毛勝三山までは必ず表示されているのに、その東側を説明したものがなく、たぶん毛勝三山の隣あたりだと思うのですが、分かりません。もう少し東側に朝日岳が表示されることがありますが、朝日岳は後立山連峰の一つで、このあたりのことがまったく分かりません。5月4日に、(無謀にも)とりあえず魚津へ行けば何とかなるだろうと、娘と出掛けることにしました。

国道8号線で魚津市に入ったら、意の一番に魚津警察署に飛び込みました。ゴールデンウィーク中にもかかわらず、何人もの警察官が就勤されており、丁寧に対応していただきました。案内された内容は、
①警察署の前の道をずっと行くと、橋を渡り片貝川が左手から右手に変わる。そのまま行くと僧ヶ岳の登山口に到るが、手前のキャンプ場を過ぎた先で冬期(ゴールデンウィーク明けまで)の通行止めになっている。その辺りに駐車できるところがあり、昨日の巡回時にも10台ほど止まっていいた。そこからかなり歩くことになるが、右手に僧ヶ岳が見えてくる。
②むしろ、黒部市や入善町の黒部川扇状地から見る方が、雪形は小さくなるが、よく見える。
③ただ、4月下旬の降雪で雪形はでていない。 -とのことでした。
とりあえず行ってみようと、通行止め地点に到着すると、その先はしっかり山道でした。登山を想定していなかったので、娘の服装は、今時のギャルをやっていて(妻)、靴も歩きにくいという程ではないにしろ、コツコツ音を鳴らしています。それで、山道を歩くのが辛いかというと、そんなことは平気なのです。娘は、すれ違う人に見られたとき、「山をなめているのか」と思われるのが嫌なのです。小中学校の時から立山登山の課外学習があり、毎年必ず何件かの遭難事故がニュースになる県で育った者の当然の感覚です。(ゴールデンウィーク中も富士の折立での遭難死亡事故など報道されていました)
山道に入ると、蕨が『もののけ姫』のコダマの様に生えていて、木漏れ日を受けて光輝いている様は、神秘的でもありました。空気もきれいで、片貝川の清流は、透明そのもの。雪解け水をうけて、流れはものすごい勢いです。小さな水力発電所がいくつもあって、再生可能エネルギーの自給率で全国2位の富山県ならではの景色です。

気持ちよく2時間近く歩いたのですが、一向に展望が開けません。まだまだ谷間が続くようなので、ここで一旦あきらめることにしました。こんなに遠いので、警察の人も黒部川扇状地から見た方がいいのではと言われたんだよ、とお互いに納得しようと努力しながら戻りましたが、果たして僧ヶ岳を見つけることができるのだろうかと、不安がどっとのしかかります。車に戻ると、急いで黒部市に向かって走り始めました。妻と娘は、iPhone、iPad、Andoroidタブレットを駆使して、黒部川扇状地とはどこかと必死に検索し始めます。

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振り向くと 僧ヶ岳?

魚津市街地に入るよりスーパー農道を通る方が近道だろうと、信号待ちをして降りてきた道を振り返ると、あれ!インターネットで見ていた山の姿とよく似た山がある!あれが僧ヶ岳では?脇道に入って、正面に見る山と、インターネットの画像と見比べると、間違いなく僧ヶ岳に違いない。魚津市街地からこんなにはっきりと、ほとんど目の前に見えるではありませんか。いったいこの2時間余りは何だったんだろうと、安堵と疲労感がどっと押し寄せてきました。

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4月末の降雪で雪絵の形ができてない

雪絵のほうは、警察の人も言っておられたとおり、4月の降雪で形になっていませんでしたが、写真を撮って、満足!終了!黒部川扇状地へは行かないで、魚津ラーメンの有名店山久ラーメンで昼食をとって、午後は五箇山の人形山の雪絵に出発することにしました。
(つづく)

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