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大石太さんの生き跡

ホームレス俳人として名高い大石太さんは、読書家であり、手紙魔でもありました。

富山市の出版社、桂書房の串岡弘昭著『「トナミ運輸」内部告発 裁判全記録』という重い本にもその証拠が残っています。副題に「闘いにカツラはまだ早い時流れ」と印刷されている「句」がそれです。私は昨日、初めて気が付きました。

2006年、大石さんは、新聞に紹介されていた串岡さんの『ホイッスルブローアー』を書店で買って読み、感動して桂書房に手紙を送ってくれたのです。串岡さんの勇気を称え、手記を出版した桂書房に敬意を表する内容でした。

その手紙にあった句のひとつが、「闘いにカツラはまだ早い時流れ」なのです。残念なことに、その手紙を出してまもなく、大石さんは亡くなってしまいました。

実質的な勝利といえる和解で結審した後に裁判記録が出版されること、その表紙に自分の句が副題として印刷されること、それを大石さんご本人は知ることができなかったのです。

それからまた8年もたった今頃に騒いでいる地元の本屋のアホさ加減に、大石さんもあきれておられるでしょう。生きて、厳し可笑しの句に詠んでほしかったです。

大石さんの句集は全部で6冊出版されました。うち3冊は版元品切れのようです。

プー横丁には現在、大石太著『句集ホームレス羽抜鳥』の在庫があります。もちろん上述の串岡さんの本もあります。どうぞよろしく。