北陸日販会総会、北陸エリア書店販売勉強会へ行ってきました

金沢都ホテルで開かれた、日本出版販売(株)の勉強会(6月14日)に行ってきました。出席の書店さんは、紀伊國屋書店北陸地区販売部さん、紀伊國屋書店金沢大和店さんをはじめとした巨大書店さんと、郊外に巨大店舗を展開しておられる地元老舗書店さんの方々で、「絶滅危惧種・個人新刊書店屋」(前回6/13ブログの「ニイガタブックライト 一箱古本市in現代市に行ってきました」参照)は、私だけ。第一部の会場である7階鳳凰西の間に、所狭しと集まっているのは、出版社さんばかりで、書店は数えるばかり。お隣の席のS市のI書店さんも、「いやぁ、いっぱい集まってるなぁ。今年は多いみたいだよ。出版社さん、ヒマなんかなぁ」とニコニコ。写真をパチリ撮って「証拠写真残しておかんと。ちゃんと勉強してきたのか。どっかで遊んできたんじゃないのかと言われないためにねぇ」とニコニコ。そこで、私もパチリ。
会場は、向かい合わせにテーブルが2列に組まれ、1列は大手の出版社さん、もう1列は書店で、それを取り囲むように椅子席がずらーっとあって、全て出版社さん。もうこんなに少ししかいなくなっている書店に、こんなにたくさんの出版社さんがやって来て、どうするのだろうと、お前は関係ないのだよと言われそうな心配をしてしまいました。
私が北陸日販会へ入れてもらった30年ほど前は、総会といえば粟津温泉の「法師」や片山津温泉の「矢田屋」で開かれて、北陸の街々の地元書店さんがたくさん集まって来て、とても賑やかで、記念講演会にせっかく来ていただいた偉い先生方のありがたいお話を、硬い固いとぶつくさ言って、酒飲むことしか考えていない本屋のおやじどもに、酔った勢いで大量発注させようと必死の出版社さんたちと、とてもたのしい集まりでした。
nippan2 nippan1
そこで勉強会の話ですが、第一部のテーマは、「文庫ジャンル販売勉強会」。新潮社さんからは、文庫販売全体の7割が、文芸春秋さんからは6割半が棚から出ているとのデータ発表があり、欠品の補充が販売増につながることが分かったが、出版社別でなく、作家別に棚づくりしている書店では、どう欠品補充するのかという問題、また作家別の単行本の棚の中に文庫本を混ぜることによって回転率が上がった例が紹介されると、全体としての販売額が下がるのではという問題提起もされました。(もちろん、この他たくさんのディスカッションが行われたのですが)
これって、デカ過ぎる本屋さんの課題なんですよね。広大な文庫売り場に山のようにあるタイトルの文庫を、補充発注するときは、やっぱり出版社ごとなのです。それを作家別に並べていたら、とても出版社別の発注などできるものではありません。そこで欠品はそのままということになります。紀伊國屋書店富山店さんも、出版社別棚づくりをしておられます。
ところが、2日前にニイガタブックライトから帰ってきたばかりの私には、あまりに住む世界の違いに苦笑いするしかありません。迷惑かもしれませんが、あえて私たち「絶滅危惧種・個人新刊書店屋」(ニイガタブックライトのメインスタッフKさん言、6/13ブログ・参照)はとくくらせてもらうと、作家別テーマ別の棚づくりが当たり前。出版社別棚づくりができるようなスペースもなければ、預からせてもらえるはずもなく、仕入れる資金もありません。1冊1冊選んで発注するしかない「絶滅危惧種・個人新刊書店屋」には、単行本と文庫本の混在棚も当たり前なのです。超有名書店、千駄木の街の本屋さん「往来堂書店」の、 安藤哲也さんが創った「文脈棚」も、ある意味混在棚ですよね。街の本屋が毎日やっていることが、巨大書店では、ディスカッションのマジ!テーマになっちゃうんですね。巨大書店の「生まれいづる悩み」ということでしょうか。
つづいて、「店売部門」と「外商部門」に別れて、各出版社からの制限時間一分間の最新情報の説明会です。私は、「店売部門」に参加したので、飛翔の間に移動です。今回気になったのが、児童書の出版社が殆ど来ていないことです。参加はポプラ社さんとくもん出版さんだけだと思います。30年前は、たくさんの児童書出版社が参加していて、岩崎書店の社長さんがその時の最長老で、出版社を代表して挨拶されたのですが、その誠実な出版姿勢に感動したことを覚えています。巨大な売り場面積を競う大型書店や、郊外に巨大店舗を多店化競争する書店の中で、遊び場化する児童書売り場と粗雑に取り扱われる大量在庫が、もしかして児童書出版社には負担になって来ているのかもしれないと思ったりして。
第二部は、鳳凰東の間に移動して、日販グループ方針発表。これマル秘です。
第三部は、パッと懇親会なのですが、明日の仕事の関係で車で来たかったので、今回は欠席。
いっぱい勉強して、巨大書店ばかりの中で、「絶滅危惧種・個人新刊書店屋」ではありますが、よし!がんばるぞと気持ちを新たにしました。

いつの間にか久しぶりの金沢になってしまっていて、どうしても寄って来たいと思って、オヨヨ書林新竪町店とオヨヨ書林せせらぎ通り店に、汗だくになって行ってきました。オヨヨ書林竪町店は行ったことがあるのですが、オヨヨ書林新竪町店は今回が初めてです。オヨヨ書林せせらぎ通り店も初めてで、ここは北陸新幹線開通のコマーシャルで、蒼井優さんが自転車でやって来た有名店です。富山で朝配達の仕事などしてから金沢に出かけたので、スケジュールがタイトになってしまい、落ち着いて訪ねてくることができませんでした。とても残念、また行きます。
oyoyo_seseragi  oyoyo_shintatemachi

金沢へ行ったので、やっぱりお酒買いました。「池月純米酒4合瓶」(1,458円)、「ほまれ純米吟醸酒4合瓶」(1,260円)です。「ほまれ」は「遊穂」の蔵元の純吟です。「遊穂」は富山でも買えるのですが、これは見ません。金沢のお酒は、すごいです。「菊姫」や「天狗舞」はものすごく有名ですが、新潟や富山のような淡麗辛口ではありません。「水の如し」ではもちろんありません。たしか「天狗舞」の中杜氏が、能登四天王ですが、「富山のような綺麗な酒は造らない」と言っておられたと思うのですが、あほな性悪が綺麗じゃなければ汚いお酒ですかと突っ込みそうですが、芳醇な美味い酒という意味だと思います。ほんとに濃い味で、純米酒は古酒のような風味です。富山大和のお酒の販売担当者の方が、「富山の方に、金沢の酒をお勧めすると、後でこの酒、腐っとるといって返品に来られるのに困る」と話しておられたことがありました。私自身、新潟で淡麗辛口、水のようなお酒を呑んで、美味いと思ったのが日本酒にのめり込む始まりで、今でも水のような日本酒が呑みたいわけで、初めて「菊姫」を買ったとき、その味わいの複雑さに驚いて、これは私のような素人が呑むものではなくて、玄人が味わうお酒なんだと思いました。加賀百万石の長い太平楽の中で、匠の技が加わってないものは面白くないと思う気持ちが、金沢の人たちにはあるのではないかなぁと感じます。私の命の恩人ともいえるHさんから、毎年年暮れに「天狗舞山廃純米大吟醸」をいただくのですが、私の購入限度額をはるかに超えるお酒なので、毎年ありがたくいただいているのですが、これくらいグレードの高いお酒ともなると、洗練された匠の技の奥深い味わいというのでしょうか、言葉で表すことができないものがあります。
4月に仕事で新潟へ行くことがあって、帰りのえちごトキめき鉄道「特急しらゆき」から北陸新幹線に乗り換えるのに、上越妙高駅で「水のような淡麗辛口な酒は決して造らない」で評判の「かたふね純米吟醸酒4合瓶」を見付けて買いました。一度呑んでみたいと前々から思っていて、さぞかし金沢の酒のようにくっどい味なのだろうと期待して飲んだところ、私にすれば全く新潟グループで、とてもおいしい酒で、これから機会があれば積極的に購入したい、「久保田紅寿」や「鶴齢純米吟醸」や「緑」や「龍躍・竹林爽風」と同じ淡麗辛口、つまり「水」としか思えませんでした。近くの「吟田川」などよっぽど「水」じゃない。「水」じゃないのは、何といっても金沢のお酒です。

カテゴリー: 書‐新刊書, 書‐書店員 | コメントする

ニイガタブックライト 一箱古本市in現代市に行ってきました

去年に続いてニイガタブックライト ‐一箱古本市in現代市に2回目の出店をしました。週間天気予報では開催当日(6月12日)は、雨天。前日まで気をもみましたが、何のことはない当日は快晴、夏日。うだるような暑さ、去年に続いての猛暑です。こんな暑い中でも、引きも切らないお客様。やっぱり、新潟の一箱古本市は、すごい!これだから、今春新潟大学を卒業して、とっくに娘はいなくなっている新潟へ、お隣に出店しおられる、鎌倉からお越しの「サルトリイバラ」さんからも、「隣県といっても、そんなに簡単に来れるんですか?」と言われちゃうのですが、やっぱり来てしまうのです。
nigata_jinja nigata_mise nigata_mise2
 今年の一箱古本市のゲストに、もちろん南陀楼綾繁さんはおいでなのですが、京都の山下さんが、「出張ホホホ座」で出店しておられました。前日は、北書店で山下さんと佐藤(北書店店主)さんの記念トークがあって、ニイガタブックライトのメインスタッフであるKさんの解説では、「絶滅危惧種・個人新刊書店屋さん東西両雄の対決」とのこと、とても盛り上がったようです。私は、「「絶滅種のはずがまだ生息していた・個人新刊書店屋」なので、店を休業して、「そんなに簡単に来れる」わけではないので、残念ながらお聞きすることができませんでした。そのほか、蔵前の『HAB』の版元 「H.A.Bookstore」さんも出店しておられて、少々商談などしてしまって。
今年の一箱古本市の出店は、全部で50箱余。去年から比べると10箱ほど少ない感じ。ニイガタブックライト ‐一箱古本市の開始当初は、80箱を超えていたとのことなので、大したものです。去年お隣だった、「古書 雑踏」さん、今年は欠席で、残念。今年もお隣になれないかなぁと、お会いするのを楽しみにしていたのですが。あと、上古町の「むすびや百(もも)」さんが出店されるので、お昼は「おにぎり?!」と楽しみにしていたのに、11時頃買いに行くと、ショック!すでに売り切れ、これも大変に残念でした。
nigata_hohoho nigata_onigiri
私が、「そんなに簡単に来れる」距離の街ではないのに、一箱古本市にかこつけて、どうしても新潟の街にやって来たいわけがあるのです。4年前三女が新潟大学に入学して、初めて新潟の街をみて、本屋さんをみて、酒屋さんをみて、いろんな人たちの生活を見て、人と人が接する様子を見ていると、うまく表現できないのですが、富山や金沢では何をするにも、本屋の仕事や催し物をするときも、何事にも上下関係をはっきりさせたいっぽい垂直志向があるのですが、新潟の人たちのそうではない、水平志向とでも言える普通の、ある意味本来当たり前の接し方にとても感じるものがあったのです。ずっーと書店経営に行き詰まっていた私が、この水平志向で自分もやっていけないだろうかと考え始めてから、本屋としてのモチベーションをどんどん取り戻してきたと思っています。私が「児童書専門店」から「本屋」に替わることを決めた街なのです。
あっそれと、新潟へ行ったのですから、もちろんお酒買いました。「清泉七代目4合瓶」(1,543円)、「越乃かぎろい千寿4合瓶」(1,437円)、「越の鶴純米酒300ml」(525円)、「越乃白雁純米吟醸300ml」(600円)です。

カテゴリー: 書-古本 | コメントする

JM社 新刊本安売り 再販違反? ダンピング?

本屋の仕事、田んぼや畑の耕作、超高齢を迎えた両親との生活と毎日が忙しく、ブログのことを考えるゆとりもなく過ごしていたところ、大学の先輩Tさんが経営する、子どもの本の古本屋DさんのFacebookを見てビックリ!久しぶりの再開になりました。
そこには、「在庫のある本もお取り寄せして、特別価格で提供します。税込み価格の15~22%OFF!お買い得です!(^^)!  郵送の場合、送料不要です。ジャパンマシニスト社が負担してくれるそうです」と公開されているのです。
一般の人は、おっ!安売りイイじゃん!と当然思われるでしょうし、本屋ということでは素人であるTさんにしても、ジャパンマシニスト社さんが、7掛(後にTさんの話では、実際は6掛だったようです)で出すから後は好きな値段で売ってくださいということだったので、とご本人としては、本をできる限り安く販売して、世のため、人のためと思って疑わない。
でも、ちょっと待ってください。新刊本を、22%引きで販売するなんて、日本中の本屋さんが聞いたら、髪の毛が逆立って、先日射水市に講演に来られた落合恵子さんの怒髪のようなことになっちゃう話なのです。

事の次第はこうです。まず、ジャパンマシニスト社が発行している『ち・お』『お・は』を「読む会」というグループがありました。その方々が、『ち・お』『お・は』の展示会を、Dさんの2階ギャラリーで開催することにしたのです。そこで、会場の賃借料や資料作成の費用の捻出と本の普及のため、販売もしたいということで、ジャパンマシニスト社社に相談したところ、先のように好きな値段で販売してくださいと言われ、送料も返品送料も同社負担でよいと言われたそうです。グループの方々は、一冊でも多く、たくさんの人に読んでもらいたいと、目一杯安く値段をつけて、お買い得ですよということで、多くのお客さんにお越し願おうと考えたわけです。会場を貸しているDさんも、そういうことであればと、自らのFacebookで大大的に、新刊本の安売りを告知したという次第です。
この熱意には、とても心動かされるものがあります。うちの店でも、20年以上ずっと『ち・お』『お・は』を定期購読してくださっているお客様が何人もおいでです。カミさんが、『ちいさいおおきい よわいつよい』の創刊号を、それこそまだ怒髪ではなかった頃の落合恵子さんちの「クレヨンハウス」で見付け、あっ、こんな雑誌が創刊されたんだと思い、うちの店にも置いて、販売してきました。一人でも多くの人に、一冊でも多く、手に取ってもらいたいと思い、ちょっとでも安くすればよいのではないかと思われた、グループの方々やTさんの気持ちはよくわかります。
しかし、本屋の立場からいうと、どうもおかしいのです。このことには、2つの問題があります。

一つは、再販売価格維持制度の問題です。定価を決めて、日本中の書店に定価販売をさせている本体が、自ら進んで定価を破壊していることです。コンプライアンスの問題であり、脱法の疑いがあると思います。
新刊本は、定価販売されます。日本中の本屋さんは、定価が表示されている本はみな同じ定価で販売しています。この定価は、しかし本屋が決めているわけではありません。本の定価を決めているのは、版元である出版社です。出版社が決めた定価で、日本中の本屋さんが売らされているといえるのです。一旦、本屋が値引きでもしようものなら、たちまちすべての入荷が止まります。かつて消費税導入の折、ある児童書専門店が消費税に反対して徴収しなかったために、値引き販売とみなされて、出荷を止められ、閉店に追い込まれました。それほどまでに厳重に守ることを本屋に要求している定価販売の、その定価を決めている出版社である、今回の場合は「ジャパンマシニスト社」が、本屋以外の素人の方に、「好きな値段で販売してください」と値引き販売を推奨するというのは、どうなのでしょうか?

再販売価格維持制度については、もちろんこの点以上に価格や流通の安定、著作権の保護、などなど考えなければならない重要なことがらがたくさんあるようです。出版物は他にとってかわることのできない内容であり、つまり例えば三菱鉛筆よりトンボ鉛筆の掛けが安ければそちらを売るというようなことがないこと。制度がなくなれば、出版リスクが高くなるので、本の種類が少なくなり、本の内容が偏り、売行き予測の立てやすいベストセラーものばかりになり、値引き競争になるので見せかけの価格が高くなり、富山のような地方では東京など都市圏より本の価格が高くなり、うちのような街の弱小書店は価格競争ができず、見せかけの高値のまま本を売らされ、次々と潰れていくというような事態になることが予想されます。また、価格が自由になるということは、著者の印税も今のように定価の一割を保証する必要はなくなり、新人作家や新しい文化活動が生まれにくくなると思います。
Tさんにこのようなことを話したら、じゃあ「ジャパンマシニスト社」は真っ黒黒の再販違反の確信犯じゃない、といってくれるのですが、やっぱり安売りは、読者のためと頑固にお思いのようで、22%引きはお止めにはなりません。

二つ目の問題は、不当廉売、ダンピングです。本屋は、ご存知のように、正味(掛け率)が厳しく、小売業中利幅の少なさチャンピオンです。特に、「ジャパンマシニスト社」は、他のほとんどの出版社さんから比べても高掛け率です。広告も載せず、真摯なテーマに取り組んでおられるのだから仕方ないだろうと、この恐怖の岩波書店並み掛け率に甘んじて、20数年仕入れてきたのです。しかし、22%も値引きして販売されると、日本出版販売(うちの取次(問屋)さん)さんからの仕入れ値よりも低いのです。うちがDさんから買ってきてそれを販売すれば、日販経由より多くの利益が出るのです。あるいは、Dさんから買ってきて、それを返品すればそれだけで利ザヤが稼げることになります。これは、明らかに不当廉売、ダンピングです。「ジャパンマシニスト社」は、日本中の本屋に通常いくらで卸しているか把握しておられるはずですが、本屋以外の何も知らない素人の方に「好きな値段で販売してください」と言ってダンピング行為、法律に違反する行為をさせていることになるのではないでしょうか。
同じ仕入れ条件の商店同士であれば、ダンピングした方が、利益を失い、法的、社会的制裁を受けるリスクも背負い、良いことは何もないのが普通です。逆にダンピング商品を競合商店にダンピング価格で買い占められて、セール価格で攻撃されるということさえあります。しかし、本屋は定価販売なので、今回のように書籍の正規ルートから隠れて、闇ルートでダンピングをされると、正規の書店は打つ手がありません。毎日真面目に、正規の運営をしている書店から、いつの間にか、20年以上の定期購読者や30数年来の顧客が奪われて、理不尽にも閉店に追い込まれていくことにもなるのです。

そこで、以上の点について、「ジャパンマシニスト社」に問い合わせてみることにしました。回答を大まかに言うと、今回のような催し物の時は、「好きな値段で販売してください」ということに決めてあるとのことで、黙って目をつぶってくれと言うのです。そんなこと、うちの店に、20年以上取りに来て定価で買っていかれて、これからも買いに来てくださるお客様に向かって、「ジャパンマシニスト社」が、他では22%引きで安売りしているけど、今まで定価で買ってもらったことは「黙って目をつぶって」、今月の『ち・お』も、そしてこれからの定期分も「黙って目をつぶって」定価で買っていってください、と言えるものなら言ってみろ!と言いたいです。
これは、安売販売をするという「値引き想定の定価」も「ジャパンマシニスト社」が決めているということですよね。本屋に再販売価格維持制度で売らせる「定価」も「ジャパンマシニスト社社」が決めれば、本屋以外の方に不当廉売してもらう「ダンピング定価」も「ジャパンマシニスト社」が決めるということではないでしょうか。
やっぱり、これ、再販違反、コンプライアンス違反ですよ。ブラックですよ。やっぱり、もう一度ジャパンマシニスト社」に聞いてみます。ですから、このつづき、たぶんあります。

このように、だんだん興奮してきてしまう私に対して、日本一の本の問屋さん日本出版販売さんの対応は、やっぱり横綱でした。日販のうちの担当者に相談したら、最初はやっぱりびっくりした様子でしたが、本社の担当部所に問い合わせてもらうと「ジャパンマシニスト社にヒヤリングはしますが、そういう出版社さんは結局社会的に不審を持たれるだけだと思いますよ。みんなでちゃんと定価を守って販売しましょうってことですよ。ヒヤリングの結果は必ず報告します」という回答でした。
より豊かで、楽しい本のある生活のために、「みんなでちゃんと定価を守って販売しましょう」 だから、新刊本の値引き販売は、やっぱりやめてもらえないかなぁ。

つづく

カテゴリー: 書-書店, 書‐新刊書 | コメントする

高校生活の小説 山内マリコ

日販さんへの注文は、殆どカミさんがやっているのに、勝手に山田詠美著『ぼくは勉強ができない』を発注しようとして、当たり前に新潮文庫で探していたら、何かないみたいなことになって、あれっ?出すのやめたのかなぁと思っていたら、文春文庫から出ていたのでそのまま発注してしまいました。新潮文庫の方は、やっぱりそのまま出ているみたいで、版元はどちらでもよいのですが、要するにウチの店頭では『放課後の音符』は新潮文庫で、『ぼくは勉強ができない』は、文春文庫で出ています。
10月8日の北日本新聞に、月刊『文芸春秋』編集長の紹介記事が載っていて、又吉さんの『火花』が受賞した芥川賞の選考会の司会を務め、大変に緊張したことなど話されていました。ある先輩から、「司会の進行が悪くて”該当なし”になることがあるんだよ」と聞かされたり、選考当日は神社にお参りし、直前にカツ丼を口にしたとか、とてもおもしろい記事でした。
で、編集長様、私より少しお若いのですが、私と高校が同じなのです。大学は東大卒で、もちろん私は違います。が、同窓なので、文春文庫でよかったかなぁ、なんて言い訳しています。
文春文庫『ぼくは勉強ができない』の解説は綿矢りささん。綿矢さん、山田詠美にすごく刺激受けていますね。そこでこのブログで、「高校生活の小説」と題して、山田詠美著『放課後の音符』『ぼくは勉強ができない』→綿矢りさ著『蹴りたい背中』→山内マリコ著『ここは退屈迎えに来て』→庄司薫著『赤頭巾ちゃん気をつけて』(古本)の順に、(カミさん言わせると、田中康夫著『なんとなくクリスタル』(古本)もというので大学生だけどこじつけて)店頭商品の紹介をしていこうと企んでいたところ、驚いたことに、山内マリコさんが、今日来店されて、絵本3冊お買い上げ。ありがとうございました。そこであわてて順番を変えて山内さんから今日書こうと思ったのですが、いま日付が変わって、昨日になってしまって、もう遅いので元の計画でやってみます。
山内さんですが、私はバックヤードで『世界のともだち』パネル展の片付けをしていてお会いできなかったのですが、応対したカミさんの話では、高校生の時ウチの駅前店にバイトの申し出をされてたそうで、カミさんは何となく記憶にあるみたいなのですが、大変申し訳ないことをしました。ちょうどその頃は、橋本政権の消費税増税不景気と銀行貸はがしブームの真っ最中で、店は滅茶苦茶だったのです。
山内さんの本はちゃんと店頭に在庫していますよ。応援しています!

 

カテゴリー: 書-文学, 未分類 | コメントする

「絵本と木の実の美術館」へ行ってきました

この9月1日に、ついに十日町市の「絵本と木の実の美術館」へ行ってきました。2年前から行く行くと言っていながら、今年の「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ 2015」まで行けませんでした。
「絵本と木の実の美術館」は、閉校になった小学校を、田島征三さんが「空間絵本」として再生した、というガイドブックの説明でしたが、本当にそうでした。本当に「絵本だ!」と感じました。
ウチの市にも絵本館があって、開館の時、「生活全部が絵本だ」というとても感動的なフレーズを、館の担当者の方の説明で聞きました。建物が、空間が、行動が、目に見えるよう、手に取るように、「絵本だ」と感じることはなかなか難しいことのように思います。
「絵本と木の実の美術館」は、校舎全体が表現してくるのです。中にいると、校舎全体が動いていて、在校生がまだいてはしゃいでいるようで、こっちもだんだん興奮してくるのです。校舎全体が絵本になっているのです。やっぱり、田島さんは、すごい。

daiti1
それと、見てきました。田島さんを突き動かした、子どもたちの最後の「らくがき」「きよえさん ごはんおいしかったよ」 「きよえさん」というのは、たぶん給食のおばさんだと思いますが、田島さんの奥さんのお名前も「きよえさん」なのです。田島さんには、自らの宿命だと感じたようですよ。

daiti2daiti3
とても感動したので、この後のアートめぐり計画が、閉校めぐり偏重に変更になってしまいました。枯木又プロジェクトは、京都精華大学有志の方々が地域とつながりながらの作品展開で、大学の夏の合宿研修所のようでした。アジア写真映像館は、中国三影堂撮影賞受賞作品と東京綜合写真専門学校の関係者の方々の作品が展示されていて、ギャラリーのようでした。それぞれの企画ではありましたが、閉校舎は、そこで過ごした子供たちの生活の跡が、じんわりと感じさせられて、心に残るものがありました。
閉校舎を、そこで過ごした子供たちの生活の記憶と一緒に、一つの塊となった芸術作品にして、どんどん制作されるといいなぁと思いました。

カテゴリー: 暮-旅行, 書-絵本 | コメントする

父の日のプレゼント ー カエル

今日、M子(長女)から父の日のプレゼントだよん、と言って、「ムーミンパパノート」を貰いました。ヤッタァ!
で、カードも付いていて、「THANK YOU PAPA」というバカボンのパパのカードです。バカボンのパパが、用もないところを穴堀していたら、「あっ!だれかいる」と冬眠中のカエルを見付けて、ママのところに届けに行って‥‥。
実は、今年の春先に玉葱を植えようと畑を荒起こししていたら、土に混じってひっこんとトノサマガエルが転がり出てきて、ぼーっとしています。冬眠から強制的に叩き起こしてしまったようです。
ずーっと昔、父(呆けてなくて元気だった頃)と春先に田んぼの野良仕事をしていた時、父がスコップを土に刺し込んだら、時代劇の様な血吹雪が飛び散り、父が怪我をしたのではと大慌てしたことがあります。犠牲者は、モグラさんでした。
それ以来、春の田起こし、畑の荒起こしには、嫌な思いが付きまとっています。カエルさんに怪我がなくてよかった、よかった。
papa

カテゴリー: 暮-家族 | コメントする

棟方志功と刀物 ー 大成説

今日、お義母さん(カミさんの母)がお中元にといって「大門素麺」を持って、ウチの店にやってきました。ところが、肝心のカミさんはというと、大の顧客の長電話に捉まり、お義母さんの話し相手ができません。そこで私がお相手をしていたのですが、急に先日の「絵手紙友の会全国大会in富山」の時に、絵本『ちよゑちゃんとパパとだまし川』の著者大成勝代さんがとても気にしておられた、福光町の鍛冶屋さんの件について聞いてみると、なんとやっぱり近親者に当たるらしくて、お義母さんのお父さん(カミさんの祖父)の実家(本家)が、棟方志功さんが来ていた鍛冶屋でした。志功さんが、「なづかしぇぃ、なづかしぇぃ」と言って、ふいごを操作しているのを見たと、お義母さんが身振りを付けて話してくれました。
大成さんの仮説はこうです。棟方志功さんが、芸術表現に当たり、日本画や油絵など色々ある中で、何故版画を選んだのか。それは刃物を使うからではないか。志功さんは青森の鍛冶屋の生まれです。鉄を鍛える時のあの鼻を衝く臭い。その強烈な鉄の臭いの原体験が、志功さんをして、絵筆やその他色々な道具がある中で、刃物を選ばせたのではないか、という読みなのです。
なるほど、と思いますよね。今後のご研究に期待しましょう。

カテゴリー: 未分類 | コメントする

ニイガタブックライト その2 - 一箱は面白い

「一箱古本市in現代市2015」では、60店程の出店があり、勿論全店「一箱」店です。というのも、「BOOK DAY とやま」では、「一箱古本市」と「古本祭り」と「新刊書コーナー」が同時開催で、今年はその他にカレー屋さんやカフェも何件も出店していて、私は純粋に「一箱」だけの市を経験していないのです。
「一箱古本市」は、プロ・アマを問わず、自分の思いを段ボール箱ひとつ分に凝縮して販売する古本市です。特に平生は会社員だったりする人が、つまり本屋さんや古本屋さんでない人が、読み終わった自分の本を売りに来るわけで、自分の読書歴を、延いては自らの真情を曝すことになるとも言えます。一方お客さんは、一箱の中身を量って、自分と心が通じ合う人かどうかを探り、行けそうなら店主と会話し、気に入った本があれば購入する。目下ベストセラー中とか、今朝のTVで話題の本とか、一箱に来る客はコレ!といった傾向と対策を考えるとか、本屋が普通に考えるだろう本の販売とは全く異なるシチュエイションなのです。
私の隣のご夫婦お店は、とてもハードな芸術系の本を販売しておられるのですが、バンバン売れて行きます。補充しても補充しても売れに売れ、ほぼ完売状態になりました。ご主人は建築家で、ても穏やかな方、奥さんは大学の教員でとても活発で明るい方です。販売している本は、全てご夫婦が買って、読み通した本です。どれもカッコイイ、しかし難しそうで、高そうな本ばかりです。これがご夫婦の読書歴であり、ある意味ご本人たちそのものなわけですが、心情的になんとなくではなく、一冊一冊はっきりと言葉にして伝えておられるのです。こんな特殊な本を買う人がいるんだろうかと初めは思っていましたが、次々にお客さんが足を止め、楽しそうに会話され、ニコニコと買って行かれるので、隣で見ている私もつられて一緒に「有難うございました」と挨拶してしまうという有様でした。
隣のご夫婦が販売しておられる本の中に、何千円もするのに800円と値付けされているサイン本を見付けて、サイン本に気づいておられないのではと聞くと、奥さんの「これ、東京の古本屋で千円で買ったの。中を読んだことを差し引くとこれでいいのよ」というお答え。値付けの根拠もはっきりしていて、とても爽やかなご夫婦でした。
「一箱」は、自分が読んだ本を一箱に凝縮して、自分が読んだ本だから、足を止めてくれた方とも、しっかりお話ができて、よい関係を作ることができる。「一箱」は面白い、と教えてもらったお隣さんでした。次回もお隣で出店したいなぁ!!

nbl2015imaichi

とても暑かったけど、楽しかったよ!

カテゴリー: 書-古本 | コメントする

昨日の本 『ほんほん本の旅あるき』

「一箱古本市in現代市2015」にゲストとして来ておられた南陀楼綾繁さんのお店「古本けもの道」でこの本を買って、サインしてもらいました。本文の中に、「富山・高岡」の章があって、「BOOK DAY とやま」の仕掛け人でもある「ブックエンド」の石橋さんと山崎さんが出てきます。「BOOK DAY とやま」の時は、石橋さんに大変お世話になりりました。この本の中でも、南陀楼さんへの心遣いがよく伝わってきますが、南陀楼さんだからというのではなく、誰にでも温かく気配りされる人なのだと思います。次回の「BOOK DAY とやま」もよろしくお願いします。
nandarohonhonnandarosighn

カテゴリー: 書-古本 | コメントする

ニイガタブックライトに出店しました その1

「一箱古本市in現代市2015」に出店しました。これは、「ニイガタブックライト」が企画している催し物です。「ニイガタブックライト」は、私たち夫婦が新潟にいるF子(三女)のところへ出かけた時、必ず訪ねることにしている大好きな本屋さん「北書店」さんが中心メンバーになって、新潟でブックイベントを行う団体です。「ニイガタブックライト」が企画する「一箱古本市」に、今回が初めて出店です。F子が新潟の大学に入学して以来、ずーっと気になっていて、前回の「一箱古本市in沼垂テラス2014」の時も迷いましたが、結局お客さんで出かけました。3年を過ぎて、やっと決心して出店を決めました。
今回の「一箱古本市」は、新潟市中央区の学校町通で開かれたフリーマーケット「現代市」とタイアップして、菅原神社までのエリアで開催されました。学校町通は、「北書店」さんのすぐ横から始まる商店街で、とても賑やかな感じの、鳥居前町通りです。今回、「プー横丁」と「すずめや」で2スペース申し込んだのですが、出店配置が菅原神社の鳥居前で、富山から出かけて行くので、優遇してもらった感じです。
「一箱古本市in現代市2015」の店主マニュアルでは、午前9集合、販売開始は、10時。学校町通の通行止めが、9時。その他の進入口の閉鎖は9時半からということで、それから道路に出て店開き。午後3時販売終了。5時から打上げです。私たちは、娘に会うという目的もあるので、打上は勘弁してもらって、当日は新潟泊まり。前日仕事を終えて朝9時に新潟入は、時間的に無理なので、前泊もとなると、お店が連休になるのでちょっと困ります。ということで、今回は久しぶりの車中泊を、怖々決断しました。F子の大学入学のとき、カミさんとF子が先に特急「北越」で新潟入りし、翌日に仕事を終えてから、引越荷物を積んで私一人、米山SAで車中泊して以来です。ちゃんと寝れるかなと、ぎりぎりまで心配していたのですが、意外に車中泊は心配した程のこともなく、ゆっくり休むことができました。朝も鶯の凄い合唱で目が覚めました。道路の方も、日曜日とあって空いていて、7時半ごろには菅原神社前に到着してしまいました。
朝7時半の菅原神社前は、通行人はいますが、未だ「一箱古本市」関係者らしき人は、一人もいません。仕方がないので近くのコンビニで時間潰しをしたりしましたが、なかなか時間が経ちません。この日は大変な暑さになり、「ニイガタブックライト」史上最高気温ではとFaceBookに書いていた人もいましたが、もう朝のうちからお日様ががんがん照りつけます。出店場所の学校町通の道路上は、バンバン車が走っていきます。いつまでたっても、準備に取り掛かれません。太陽の熱も、時間を待つ気持ちも、ジリジリジリジリしてきます。9時45分までの待機はなかなかでした。

nbl2015imaich3i

開始時間を待つカミさん。 早朝からこの日差し。

nbl2015imaich2i

メイン会場の 菅原神社前。 午前8時を過ぎても、 誰も
来ません。赤丸が、 出店配置場所で待機するカミさん。

ウチの店のある富山市太田口通りは旧飛騨街道の起点で、日枝神社の大社があります。この日枝神社、山王さんの大祭が先日ありまして、もの凄い数の香具師が全国から集まってきます。今年は、前夜祭が日曜日で、しかも晴天だったので、香具師さんたちは朝から準備で大忙し。大和百貨店前の大通りは、朝から歩行者天国、道路いっぱいにテーブルを広げて、各ビール会社の全体がサーバー機というような車が何台も乗り入れて、巨大なマスコットが揺れています。昼過ぎには、お客さんたちも繰り出し始めて、夕方近くになると香具師の各店からおいしい匂いが漂ってきます。ここから、お客さんと香具師とビールを売る人、屋台の人たちの睨めっこが始まります。前夜祭は、午後5開始で、それまで物を売ったり、騒いだりできない決まりになっているのです。「ねぇ、もう焼きあがってるんだから、売ってよ。このあと用があって、急いでいるんだから」などと、さかんにお客さんたちはせめるのだけど、売る側は俯いて首を振って、「5時まで売ったらダメなが」とじっと我慢しています。このジリジリしたじーっと時間が来るのを待つ重い空気は、毎年の山王さんの前夜祭の光景です。私は、そういう取り決め外なので、午後3時頃から店先で幟を揚げて露店販売をやっていましたが、この新潟の菅原神社前で、しみじみと山王祭の香具師さんたちの気持ちを思い量ることになりました。

カテゴリー: 書-古本 | コメントする