新発田の 〼〼一箱古本市

 11月2日(日)新発田の一箱古本市に行ってきました。新潟にいる大学生のF子(三女)の用件で出掛けることになり、仕事も休みになったので、少し足を伸ばして行ってみることにしました。地元新発田の「古本いとぽん」さんがお世話をして、新発田で初めての一箱古本市です。そして会場は、何と創業文政五年(それって西暦何年なの?)という古い古い歴史のある金升酒造の酒蔵での開催です。地元酒蔵での開催というのが何とも魅力です。
 娘もこの日はアルバイトがオフで付き合ってくれることになりました。大学の講義の一つに大杉栄についての研究があって、栄が幼少期新発田で暮らしていて、諏訪神社(王紋の蔵元の真向かいにありました)などに、ゆかりの史蹟(もしかしたら、栄が『自叙伝』の中で大倉喜八郎が自分の銅像を境内に立てたことについて書いていることを言っているのかもしれない) があるというので、新発田へ行ってみようかと思ったみたいです。
 大学のある西区から新発田まで、車で約1時間、娘の運転です。娘には新発田へ本の関係(?)で行くとしか言ってなかったので、到着間際になって「お父さん、また酒屋へ寄っていくと言うのやろ」と言われ、目的地が見えてくると酒蔵の看板や色とりどりののぼり旗が揚がっているので、「やっぱり!」「いや、この酒蔵で一箱古本市があるが」と説明すると、娘はちょっと驚いた様子。
 会場の金升酒造さんの構内は、もうたくさんの入場者でにぎわっていました。広い駐車場も大方埋まっています。しかし、目下駐車(バック車庫入れ)がうまくなりたい娘は、やる気充分。何とか空きを見つけて、駐車はバッチリ。実は、娘、「金升」という銘柄を見て、昨日アルバイト先の天ぷら料理店に、この金升酒造の(酒名は忘れたそうですが)めずらしい焼酎が届いて、カウンターの乾坤一の升升半升瓶の横に飾られたとのことで、いっそう気持ちがのってきた様子です。私の方も、本を提げた帰り客の中に、4合瓶を抱えてうれしそうにしているお父さんたちを見つけて、スイッチオンです。
 今回の催し物の正式名称は「〼〼秋市2014 〼〼てしごと市&〼〼一箱古本市in金升酒造(株)構内」というもので、金升酒造を会場に、毎月第一日曜に開催されている「てしごと市」と「蔵カフェ」に「一箱古本市」がタイアップし、バニングキッチン(カレー、多国籍スパイシー料理店)さんなどフードコーナーが加わって、開催されたものです。
 一箱古本市は、大きな酒蔵横の雁木が会場です。かっこいい門をくぐると、雁木に並行して風流な露地になっていて、ちょっと薄暗い中、結構な数の人がそれぞれの店をうかがっている様子は、とてもいい雰囲気です。出店数は十数店で、量ではニイガタブックライトに及びませんし、置賜のような文化的一体感も感じられないのですが、各店は、それぞれに個性的で、本が好きということはよっく伝わってきます。私もいしいしんじさんの文ということだけで、私には合わないかもしれないアクの強い一冊の絵本を、この下越の城下町新発田の厳しい冬を前にしたほんの秋のひとときに、何かぴりっとしたものを感じ、押されるように買ってしまいました。カミさんも、気の合う店主さんと出会えてかなり話し込んだ様子で、とても上機嫌でした。
 カミさんと娘がてしごと市の方へ向かったので、私は蔵カフェへお酒を買いに。私がお酒を手にして戻ると、娘は「お父さん、どこでお酒買ってきたが」と何故か合点がいかない様子で、何度も聞きます。酒蔵へきているのだからそんな変なことだとは思わないのですが。
 この日は、蔵元の庭園も開放されていて、紅葉した木々がとてもきれいでした。蔵見学もさせていただいて、ふるまいの甘酒もいただきました。蔵カフェでは、サービス券でコーヒーをいただき、娘にはおしるこを注文しました。さすがに蔵元の提供だけあって、仕込み水を使ったコーヒーも、おしるこも、甘酒もとてもおいしかったです。
 古い歴史のある、格式高い蔵元さんが、地域の活動のために、お屋敷を提供し、酒蔵も庭園も開放し、甘酒をふるまい、コーヒーのサービス券を提供し、杜氏の専務さんを先頭にスタッフの方々が一生懸命働いておられることに、頭が下がりました。今度また、この蔵元で一箱古本市が開催されるときは、是非行きたいと思いました。こういう環境で一箱古本市を開催することができることを、とてもうらやましく思いました。

 「金升」というお酒については、今まで飲んだことはなかったのですが、地酒防衛軍のブログで見て、知っていました。地酒防衛軍というのは、新潟市内のこんぴら通りに基地を置く、ウルトラマンを中心にした部隊で、先日ニイガタブックライトが開催された沼垂方面から攻撃してくるヌッタリ星人や、地酒愛好を阻む悪者と戦っています。私も隊員証を持っていて、お酒を買うとスタンプを押してもらい、いっぱいになると隊長推奨の4合瓶が授与されます。この隊長一行が金升酒造を訪ねたときの記事が面白くて、「金升」という酒名がしっかり記憶に残りました。
 まず、その記事に載っている酒の写真を見ると、瓶のラベルに「おおかたは呑めばお金がへるものに この酒ばかりは飲めば金升」ととぼけた言葉がとぼけた飾り文字で大きく書かれていて、これには笑ってしまいました。
 また、隊長一行が酒蔵の日本酒タンクの後ろにオーク樽を見つけ、「あっ!オーク樽が隠してある」と口々に言うと、あわてて社長が「向こうに湯豆腐の準備ができました」と後ろから追い立てて、「金升には新発田の富樫の豆腐がおすすめ」とうわごとのように繰り返すので覚えてしまったというブログを、私も何回も読んで覚えてしまいました。
 カミさんと娘と蔵見学をしているときにこのオーク樽を見つけ、この話をすると、ふたりとも面白がって、そのオーク樽の前で揃って記念写真を撮りました。しかし、今回は新発田で湯豆腐は食べませんでした。
 今回購入したのは、「金升 朱」(4合瓶、1,200円)酒米に新発田産越淡麗を100%使用、本醸造ですが添加アルコールに醸造用アルコールを使わず、新発田産米を原料とした米焼酎「柱焼酎」を使ったお酒だそうです。蔵名入りの呑み利きは残念ながらありませんでした。帰りに寄った諏訪神社の真向かいの王紋の市島酒造にちょこっと寄って、酒名(夢)入り呑み利き(240円)2個ゲットしました。

ponpon について

本と映画とパソコンと写真とお酒が大好き。
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