娘の中国出発

今日F子(三女)が、北京師範大学珠海校へ交換学生として9月から留学するため出発しました。向こうの大学の先生や学生さんが香港に迎えに来てくださり、すぐに向こうで必要な手続きや準備のため、午後の2時までには到着してほしいとのことで、それに間に合う便が、新潟空港にも、富山空港にもなく、今日はインチョン国際空港で降りてソウル一泊、明朝香港に向かいます。
荷物も大きいので、かみさんと空港まで車で送ることにしました。車に乗り込むと、娘はまた涙ぐみ始めましたが、今度は何も話しません。大学に入学してからは殆ど帰ってこなくて、帰省しても2日程で戻っていくことばかりでした。今回は帰省から今日の出発まで10日余りもあり、高校時代の友達や、おじいちゃん、おばあちゃん、お姉ちゃんともしみじみ過ごすことができたので、急に寂しい思いがしたのでしょう。またこの後、日本語が通用しない世界に入っていく不安も大きかったのだと思います。
富山空港は、開港50周年ということで、24、25日を「空の日」と銘打ってイベントがあちこちで行われていて、とても賑やかでした。富山県の「きときと君」、エア・ドゥの「ベア・ドゥ」、税関の「カスタム君」などマスコットキャラクターのキグルミが大活躍、小さな子どもたちは、ツーショット撮影したり、抱きついたりで大はしゃぎしていました。
富山空港は小さい空港なので、国際線の定期便は、アシアナ航空、中国南方航空、チャイナエアライン、中国東方航空の4社です。ヨーロッパなどアジアより向こうへ出かける時は、インチョン空港で乗り換えることになります。
1年前大学の後援会で担当のA教授が、「インチョンから世界各国へ飛び立っていく垣根を低くする‥‥」と話しておられたことを思い出しました。「学生たちの殆どは欧米への留学を希望する。留学したいのか、欧米へ行きたいのか聞くと、留学したいという。それならば、手続きも語学力の基準も厳しい欧米よりも、中国への留学を奨める。一旦留学を終えた学生は、世界の垣根が低くなり、気軽にインチョンから欧米でもどこでも飛び立っていくようになる」と。今回の娘の留学は、大学に授業料を納めてあれば、北京師範大学の授業料は要りません。留学の手続きもかなりの部分大学の方でやってもらえます。単位も向こうで受講した20単位まで、こちらの大学の単位に充当できます。寮費も帰国時に半額返金になるそうで、物価も高いわけでなく、「生活費はここ(新潟)にいるのと同じ」だそうです。欧米の場合、こちらの大学の授業料の他に向こうの大学の授業料がいる場合もあり、語学力についてかなりの高さを要求されることもあり、留学手続きや宿舎の手配も全部自分でとか、生活費もずいぶんと掛かることもあるらしいです。娘もちょっと前にはイタリアへ行きたいとか我が家の経済力ではとても無理なことを言っていていたこともありました。しっかり勉強しているわけではないのでしょうが、取っている外国語も、米、独、西、伊語で、中国語を取っていませんでした。中国留学ということで経済的には少し気が楽になったかなと思いますが、中国語については私の方がまだましで、昨日もそり舌音などの発音の確認を私にしていました。かみさんの友人で福井大学で中国語を教えている方の話では、「3週間もすればスイッチが入って、半年もすればペラペラよ」とのことですが。
国際線のロビーに行くと、「前と同じや」と娘。彼女は、10年前に書道で賞をもらい友好親善で上海へこの空港から出掛けたのです。10年間そのままの雰囲気で、娘にしてみれば見覚えのあるロビーの様子に、緊張が解きほぐれた表情になりました。そのときはたぶん中国東方航空の飛行機だったと思います。今回娘が乗っていくのは、アシアナ航空富山発12:00ソウル便です。韓国人旅行客や日本人ビジネスマンなど色々です。中に長くベトナムを中心に東南アジアの子ども・青年たちと支援交流活動を続けているNPO代表者と20人余りの青年男女のグループを見つけました。あの方たちと同じ飛行機で出掛けて行くのだなと思うと、娘も広い世界へちょっとだけ足を踏み入れて、飛び立っていくのかなと思いました。
娘が手荷物検査所Aに入っていく頃に、急にロビーが騒がしくなってきました。隣の手荷物検査所Bでチャイナエアライン富山発12:40台北便の搭乗手続きが始まったのです。誰も彼もペチャクチャペチャクチャ大きな声でお喋りするし、着ているものは派手、桃を皮ごと食べる人や何や可やでごちゃごちゃです。しかし、さすがに台湾の人の中国語(普通語)はきれいで、私でさえ話していることが少し分かります。身振り手振りを付けてワイワイお喋りしている様子を見ていると、だんだん何か楽しくなってきました。さあ行くよ!という段になって、リーダー格の賑やかで色白で小太りで目が大きくて唇が厚くバッチリ化粧をしたおばさんが、背伸びをしながら指差しでyi、er、san、si、wu、liu、qi、ba‥‥と頭数を大声で数えだした時は、思わず笑い出してしまいました。富山空港の国際線ロービーに座って、しばらくの間過ごすことができたら、きっと世界は広くなると思いました。
展望ロビーは、昨日の豪雨と打って変わって、強い日差しです。じっと汗ばみながら出発を待ちましたが、飛び立つと飛行機はあっという間に晴天の青空の中に消えていきました。行った!と思ったら、急にどっと疲れが出てきました。

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